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阿片戦争 上 滄海編 (1) (講談社文庫 ち 1-1)
おすすめ度:
ランキング:266423
価格:¥ 900
発売日:1973-08
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ユーザーによるレビュー
『阿片戦争』(上、中、下)
(2008-11-01)
日本人には馴染みの深いようで実は全く知られていない阿片戦争の真相を分かり易く描かれており、非常に意義深い作品でした。
稀代の名官僚であった林即徐の苦悩と豪商の思考を通して阿片戦争を実に身近に感じることができ、教科書を読むよりも得られる知識は多種多様だと思います。
【林則徐をはじめ、清末の人々は如何にして動乱の時代を生き抜いたのか】
(2008-01-21)
●「阿片戦争」は、習慣性・毒性の強い阿片を、
イギリス商人が盛んに清国へ「密輸」したために、
官民共に阿片の害毒に犯されただけでなく、
阿片の代金として支払われる銀が清国から流出、銀価が暴騰、
清国民を二重に苦しめたところに根本的な原因がある。
●「厳禁」「弛禁」論争の過程にも、清国全土の
様々な立場や情裡に基づく紆余曲折があったが、
林則徐は実地の検分によりその「二重の害毒」を痛感していた。
一方、自らが苦しい禁煙に成功していた道光帝は謹厳な林則徐を信任し、
堂々たる「厳禁論」は、民衆の実状をかえりみぬ「弛禁論」を断固として下し、
林則徐は欽差大臣としていよいよ阿片商人に挑む。
●本書には、林則徐ら史実の人物も登場するが、
「連維材」と息子たちなどの架空の人物を自在に描くことで、
史上の人物を鮮やかに浮き彫りにしている。
表現は快活で、時に繊細。
陳氏の最も充実した文章の一つと言えるだろう。
時代を意識した独特の歴史観
(2005-07-14)
最初に陳舜臣の「実録アヘン戦争」を読んでいたので歴史の流れはわかっていた。
その上で小説としてのアヘン戦争を作家がどう捉えているのかを探しながら読んだ。
実在の人物である林則徐を主人公にするのではなく、架空の人物「連維材」という商人を取り巻く人々としてストーリーが展開する。
この手法は、「秘本三国志」でも取り入れられた陳舜臣独自の味を出している。
数多くの登場人物が出てくるがそれぞれのキャラクターの描き分けが見事である。
麻薬「阿片」と名がついている世界史史上でも特異なこの戦争をの背景には、衰退してゆく腐りきった清王朝の転げ落ちて行く様が見事に描かれている。
もっともどの戦争は理不尽なもので悲劇しか生まないものであるのだろうけれども。
汲めども尽きぬ興味深い中国史の中でも最後の清王朝の末期、21世紀初頭の今日でも学ぶべき点が多いのではないだろうか。
そう思って読了した。
