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HOME > 和書 > 時間を哲学する―過去はどこへ行ったのか (講談社現代新書)
時間を哲学する―過去はどこへ行ったのか (講談社現代新書)
おすすめ度:
ランキング:84486
価格:¥ 735
発売日:1996-03
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ユーザーによるレビュー
驚くべき中途半端本
(2008-11-11)
荘子の「胡蝶の夢」の話から始まるという
凡庸な入口に不安を覚えた。
そのあと、ベルグソンやハイデッガーなど、
世界的哲学者たちの時間論に次々に難癖をつけ、
それ以上の省察を自分は得ているという口ぶりで、
本文が170ページほど進む。
著者は、最後の40ページで、ようやく持論を話しはじめる。
しかしそれは理論の展開と呼べるようなものではない。
最後に驚くべきことに、論旨は宙づりなったまま、
とつぜん、それまで一度も言及されていない
マルチン・ブーバーの『我と汝』が強引に引用され、
それを結論めいたものにして本文が終了する。
*この引用が、ラストの1ページ前!
これでは、時間についての鼻持ちならないたわごとにつきあってしまった
ということ以上の感想は持ちにくい。
講談社現代新書は、ときおりこういった
書物としての呈を成していない水準の物体(他には『エロイカの世紀』など)を
平然と世に送り出してしまうので、要注意だという思いを強くした。
「印象時間」に対する疑問
(2007-11-18)
野矢茂樹氏の『無限論の教室』を読み、時間についての哲学にはまってしまいました。
その次に読んだのがこの本でしたが、読む前にタイトルから想像していたのに比べ、正直期待はずれでした。
また、ときに彼の主張している内容が間違っているのではないかとさえ感じられました。
例えば第3章で提唱されている「印象時間」の概念についてですが、1時間に感じられた30分と1時間に感じられた2時間では、「客観的時間」こそ違えど「印象時間」では同じ「1時間」であると彼は主張します。そしてこの2つの時間の感じ方は長さとしては同じだとして平面グラフ上の同一軸に描くことができるとしています。しかし本当にそうなのでしょうか。前者(30分)と後者(2時間)は、どちらも同じく「1時間」であるように感じられたとしても、その2つの感じ方まで同じなのでしょうか。「これが1時間だ」と思う感覚それ自体もときに変化しうるもので、同じ「印象時間1時間」でもその感覚までも同じであるとは言えないのではないのでしょうか。感覚にはものさし(単位)がないのでそれを比較することは不可能なのではないかと思いました。仮にその感覚を「印象時間」の単位に置き換えたとしても、その置き換え方が違えば複数の感覚を比較することはできないと私は思います。
他にもいろいろ述べられており、私個人としては彼の主張に対しときに賛成、ときに反対できるといった感じでした。
彼の考えを学ぶ、というよりは彼の考えから学べた、という意味で読んだ価値はあったかもしれません。
時間について
(2006-12-11)
時間について過去の先人がおよそどのように関わってきたかが概観されている。新書として、そこそこの内容だと思う。時間について、本気で考えてみたい人には読書案内程度にしかならないと思う。
哲学に興味を持ち始めた人に。
(2003-08-23)
時間とは何かということを、なるべく平明な文章でわかりやすく説いています。よくある専門書になると過去のの偉大な哲学者の引用からあーだの、こーだのと理論を展開することが多いのであるが、本書においては著者の方向性がしっかりしているため、そういう細かい部分は置いておいて、どんどん先に進みます。
時間というものに興味をもった人、哲学というものに興味を持ち始めた人にはお手ごろな書物だと思います。
この本を読めば、自分なりに時間というものをどのように捉えていくかの道標になると思います。
分かりやすく哲学的に
(2001-09-25)
時間の利用法や性質ではない、時間そのものとは何か、に気持ちいいくらい真正面から取り組んでいる姿勢が哲学的と感じた。しかも哲学の奥地から語りかけるような内容にもかかわらず、素人にもわかってもらおうと、平易な表現にするため苦心していることがよくわかる。題名の通りの疑問をあたためてきた人にはかなり満足できる一冊であると思う。しかし、文庫本一冊まるまる使っても、著者はまだまだ言い足りない!という感じ、ありありだ。それにつられてか、私は読者としても、物足りない印象を持ってしまったので、その点で星4つになった。(私にとっては著者の次の作品に手を伸ばすきっかけになったのでかえってよかった。)
