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米軍再編―日米「秘密交渉」で何があったか (講談社現代新書)
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ランキング:187285
価格:¥ 735
発売日:2005-11
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ユーザーによるレビュー
米軍再編と日本政府の対応
(2007-03-18)
米軍再編とは予測困難な21世紀型の非対称型戦争に対応するための米軍再構築のこと。世界中の基地を当該地域防衛目的のそれから、世界のどこへでも米軍部隊を機敏・柔軟に急派可能な跳躍台へと改変し、更に3軍と海兵隊の共同作戦を容易にする為に部隊規模の小単位化・司令部の細分化&統合が進められている。日本は負担分担を超えて武力分担が求められ、既に統合幕僚会議の解散、自衛隊司令部の在日米軍横田基地への吸収・日米統合司令部の構築が進められている。憲法と安保条約の改正も要求されているらしい。問題は日本政府がこれほどの大問題を国民に明確に提示することを怠ってきたこと。その政府内の事情が、X線照射されたように明瞭に解説されている。
No political will.
(2005-12-23)
新聞では断片的にしか報じられなかった米軍再編に関わる日米の協議の経過を、よくぞここまで取材し、まとめたものだと感心した。
米国の要求に対し、場当たり的な対応を繰り返して楽観的に値切り交渉を繰り返す経過がよくわかった。でもこれって、日中戦争や太平洋戦争の勃発の時と同じような気がする。日本人の体質なのかもしれない。
最後に「この国には政治的な意志がない(No political will.)」と記載されているが、まさしくその実態をみせつけてくれた一冊でした。
丹念な事実取材と鋭い分析に脱帽
(2005-12-12)
安全保障を研究している者だが、現場を知り得ない我々には教材、論文資料としても有益。これまでの報道では触れられていない交渉経緯が詳細に描かれており圧巻。恐らく、この本に書かれている日米交渉の経過は数十年後の情報公開でも明らかにされないものばかりではないか。我々研究者は中身の濃い事実がなければ分析も論評も深まらない。その意味で類書が見当たらない力作と評価したい。
新聞報道の「ウラ」がよくわかる
(2005-12-11)
この方面のニュースに触れる度に「こんな生ぬるいやりとりをしているわけはない」とは思っていたが、「やはり思ったとおり」と納得した。本書は米軍再編問題を通して、現実との矛盾が決定的になっている日米安保条約と、それに基づく在日米軍の将来について日本政府の交渉がいかに主体性を欠き、戦略に乏しく、リーダーシップもチームワークもなかったかという事実を見事に暴いている。
再編された米軍のアジア戦略はもはや日米安保条約の規定する「極東」を超え、「中国の脅威」という問題も、もはや包み隠してはおけなくなり、長期的視野に立った安全保障の視点が必要とされる現在、条文上の辻褄合わせと在日米軍基地負担の縮小に汲々とする外務省と、日米安保条約の「歯止め」もなきが如く米軍と現場同士の連携に走る防衛庁・自衛隊の主導権争いの諸側面が明らかになっている。またブッシュとの個人的な関係を誇っている割には、何ら指導力を発揮できなかった小泉総理の、さらに政治全体のビジョンや行動力のなさも、筆者の豊富な情報網によって詳らかにされている。
そして何よりも驚くのは、このような米側の具体的な提案や日米の意見交換の実態が、その負担を引き受ける地方自治体の首長ばかりか国民にも全く知らされず、官僚が情報を独占していた事実である。本書は「報道されなかった事実」を明らかにし、外務省や防衛庁に欠けていた、我々の問題を国民的な議論を経て決定しようという態度に貢献する。しかし筆者は共同通信の記者であるなら、なぜ今まで記事にして、その都度問題提起してこなかったのかという疑問も残る。
本書は、従来まで日本の文献ではあまり整理されていなかった米軍の構成や各部隊などの戦略上の位置づけなどについても概観できるという意味で貴重である。日米安保の基礎知識を勉強したい人にとっても格好の入門書と言っていいだろう。
日米関係への新しい視座と知識
(2005-12-10)
日米関係に興味があり、最近話題になっている米軍再編問題についての本ということで読んでみた。新聞やテレビが伝えない日米交渉の裏にある事実が次々に明るみにだされ、日本政府がいかにこの問題で主体性を欠き迷走したのかがよくわかる。単なる外交秘話に終わらず、筆者は日本側にもイニシアチブを握る好機があったにもかかわらず、せっかくの独自再編を提示するチャンスを逸してしまったと批判する。この交渉過程の徹底的な検証は今後の日米関係を考えるうえで新しい視座を与えてくれる。写真、図、表もあって、一読すると日米安保の歴史、在日米軍、沖縄の現場など日米安全保障関係の一通りの知識も得られるようになっている。
