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HOME > 和書 > 誇りを持って戦争から逃げろ! (ちくま新書)

誇りを持って戦争から逃げろ! (ちくま新書)

誇りを持って戦争から逃げろ! (ちくま新書)
Array/ 筑摩書房
おすすめ度:
ランキング:116555
価格:¥ 756
発売日:2006-07
通常24時間以内に発送


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誇りを持って戦争から逃げろ! (ちくま新書)

ユーザーによるレビュー

で、結局どこに逃げるの?  (2007-09-03)

著者は元右翼でその後左翼に接近し、今は政治イデオロギーから脱却したそうだ。
権力者は自由主義者であれ、共産主義者であれ、天皇愛国主義者であれ、口先では自由と民主主義のためとか、平等と平和とか、民族の誇りとか立派な理由をつけて庶民をけしかけて戦争に動員する。
だが騙されてはいけない。庶民はいざとなったら逃げて逃げて地のはてまで逃げまくれ。
著者はこう言い、本来的には武装中立が理想で、それまでは9条を堅持しろという。
スイスやスウェーデンのような小国ならいざしらず、日本のような大国が武装中立を守るには核を含む膨大な国防費が必要だが、著者は専守防衛の軽武装で十分だという。
日本の周りには悪意ある重武装国がウヨウヨいるのに、ヨーロッパと同一視する考えがまず甘い。
9条が歯止めとなって、米国のいいなりになって海外派兵しなくて済むからというのも、左翼によくみる身勝手な発想だ。
しかし、本書にはなるほどと思う点もある。

独裁国家は「やりすぎ」がないと維持できないが、民主国家は「やりすぎ」ると自滅する。
偉大な神の前では人間は虫けら以下でしかないという「無限小の論理」が、イスラム戦士を自爆テロに誘う。
「建軍の本義」が曖昧な自衛隊は植民地の軍隊である。

著者の言うことはそれなりに理屈は通っているし、各論では賛同できる部分もある。
が、どこか変だ。著者の論には、社会を突き放した印象があるし、日本に対する愛情が感じられない。
著者の求める社会はなんだろうか…?、最終章で氷解した。
国家もしょせん「よどみに浮かぶ泡沫(うたかた)」―これが著者の思想の核心である。
日本を末永く続くよい国にしたいが、努力が報われず滅びたとしてもそれはそれでよい。
これはアナーキスト、虚無主義に近い。投げやりで無責任だ。
道理で逃げろという割には、どこに逃げるか明示してないわけだ。
だいたい、国を捨てて逃げ出した人間をどこの国が受け入れるだろうか?

逃走の方法をもっと詳しく書いて欲しかった  (2007-02-20)

逃走権というのはなかなか目を引きます。
ただ、現実にはとてもじゃないけど逃げれないでしょう。他の方も指摘していますが、具体的な逃走方法を書いて欲しかったです。

アメリカの手先になる、武装中立を目指せ、というのは大変にわかる。特に武装中立は魅力。
そうすると、著者は今のアメリカとかの状況が悪いだけで、基本的には九条改正賛成なのかな?

逃げろったってそうはいかない  (2007-02-19)

憲法改正は如何に恐ろしい事態を引き起こすことになるのかが出来る限り悲観的に書いてある。

「憲法九条改正と日米同盟によって日本の防衛線が台湾を含み、日本の軍事力がいかなる形であれ台湾に及ぶことになると、実に恐ろしいことが生じる。(中略)中国は敵国条項の拡大解釈なしに国連憲章の敵国条項を根拠に、日本に対する自由な軍事行動を合法的にできるようになってしまうからだ」(本書P50より)

これはほんの一例。

現首相の安倍さんは憲法改正論者みたいですが、改正はやはり危険なことなんだろうか?
色々な角度から国民一人ひとりが考える必要があるが、その参考に読む価値はあるかもしれない。

あまりにも悲観論が続くので若干嫌気がさすが、「最悪の事態」を想定することは無駄ではない。

筆者は「捕虜でもなく逃げるか、覚悟を決めて米とも距離を持ち、武装中立国になるしか日本の防衛はない」と言う。

しかし現実的に武装中立国となりうることは不可能なので、「逃げろ!」と言う。
そこらへんの具体的記述がイマイチな気がする。
でも読みやすいし、日本の悲惨な現状を知るにはいいかもしれません。

「逃走権」は斬新かも  (2006-12-08)

若干単純な見方をしているところもあり、それはどうなのかなあ・・・と疑問を抱いてしまう部分も少なからずあるのだが、しかしそれでも真理の一端を的確に突いてるとは思う。ある意味「過激」な語り口は読んでいて痛快でもある。

著者の、「国家」と「市民」(庶民)を分けて考える視点はとても重要である。戦争行為は、国家によって始められ、勝っても負けても市民に対して絶大な痛みを強いる。日本でも「対テロ戦争」や「米軍再編」、「北朝鮮問題」を巡って「国益」や「安全保障」が声高に語られる状況があるが、「誰にとって」の「国益」なのか?「何のため」の「安全保障なのか?といった点を問う視点は不可欠であろう。「対テロ」と称してイラクの市民を犠牲にしたり、「国家安全保障」と称して沖縄の市民に過大な負担を強いたり、といったことは批判していくべきである。

また、著者の、「自衛権」には「逃走権」が含まれるという主張はとても面白い。他のレヴュアーの方が書いているとおり、現実問題として普通の市民に、海外に逃亡するなんてそう簡単にできるものか、という問題はありますが、それ以前に、「逃走権」という考え方が広く人々の間に広まっていれば、仮に9条が改正されても、その概念によって骨抜きにしていくことが可能でしょう。

ただ、「戦争から逃げろ逃げろ」だけではなく、「無防備地域宣言」の動きなど、もっと現実に存在している様々な選択肢への分析が欲しかった。そこが残念ではある。

理論は痛快だが、現実には疑問  (2006-12-06)

個人の幸福を第一に考え、国民は国のためにあるものではなく、国は国民のためにあるべきである。個人がそれぞれの幸福を追求することを許されない国家などは、捨ててしまえばいい、という感じの著者の考え方には、理想的には、共感できる。米国と中国という覇権的大国の間で、日本が主体的な国家として生き残るには、武装中立国家へ移行するべきだ、などという一連の主張も説得力がある。著者の文章も非常にわかりやすい。

しかし、仮りに日本が憲法改悪を経て、「普通の国」並に外国と戦火を交えるようになってしまったときに、勇気をふりしぼって、自分の育った国や文化を捨て、逃げて、逃げて、逃げまくれるだけの、経済力や能力、コネを持った、一般的な日本人が、どれだけいるのだろうか。兵役回避など、本当のに自由になれる力を持った権力者や親族などは、昔からしてきたことである。家族がいる場合は、どうするのか。自分だけ逃げられても、日本に残した家族はどうなるのか。

考え方には非常に共感できても、現実的に実行が難しいと思う。こういった(個人的には)有益と思われる考えが、机上の空論の域を越えるためには、著者が具体的な、実現可能な「逃げる」方法を示す必要がある。有事に備え、一般人はどのようにして、日本国外脱出プランを練るべきか。これは、考えるほど易しくないだろう。

だから、希望がある限り、日本が覇権的大国に導かれつつ、間違った方向へ進まないように、個々の努力をすることも、忘れるべきではないだろう。

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