iOS 16.3の新機能、iCloudの「高度なデータ保護」を試したかったけど・・・
iOS 16.3の正式リリースを来週に控えて、最終のバージョンとなるRCがリリースされたのでアップデートしてみると、ベータ版では使えなかったiCloudの高度なデータ保護が使えるようになっていました。
iCloudの高度なデータ保護は米国ではiOS 16.2から実装されていた機能ですが、iOS 16.3からは世界中で利用できるようになりました。
(米国では、iOS 16.2、iPadOS 16.2、macOS 13.1から実装された)
高度なデータ保護をONにすると、iCloudに保存されているデータをエンドツーエンド暗号化することができるので、万が一、iCloudからデータが漏洩した場合でも、エンドツーエンド暗号化されているデータは復号化されて読み取られる心配はないので安全です。
高度なデータ保護でE2E暗号化になるデータ
- デバイスのバックアップ
- メッセージのバックアップ
- iCloud Driveのデータ
- 写真
- メモ
- リマインダー
- Safariのブックマーク
- Siriのショートカット
- ボイスメモ
- ウォレットパス
(パスワード、ヘルスケア、マップのデータは標準でエンドツーエンド暗号化されています)
高度なデータ保護を使ってみよう
バックアップデータや写真のデータが保護されるということで、早速使ってみることにしました。
- 設定からアカウントのアイコンをタップ
- iCloudに進み
- 下の方にある「高度なデータ保護」をタップします
高度なデータ保護をオンにするから進むと、注意書きが表示されます。
Apple IDにログインできなくなった時には本人であってもデータを復号化できなくなるので、その保険として、復旧キーまたは復旧連絡先を登録する作業が必須となっています。
復旧連絡先でコード認証を行うか、復旧キーをメモしておいて手動で入力して認証を行うかの2択。
復旧連絡先は、メッセージに登録してある連絡先のみ選択可能となっていたので、復旧キーを使うことにしました。
復旧キーとして、30桁ほどの長い文字列が自動生成されます。
コピペはできないので手動で入力するか、iPhoneかiPadのカメラのテキスト認識を使ってテキスト化、パスワード管理アプリにコピペします。
と・・・ここで問題が発生!
デバイスをアップデートしろという指示が出ました。
高度なデータ保護、Apple ID登録デバイスを最新にしないと使えない
「最新バージョンのmacOSにアップデートしてください」
「最新バージョンのWindows版iCloudにアップデートしてください」
という表示。
デバイス単体でON / OFFにして使う機能だとばかり思っていたら、iCloud全体をエンドツーエンド暗号化するために、Apple IDに登録しているデバイス全てを最新バージョンにアップデートしないと使えないぞ!ということでした。
最新バージョンにアップデートができない古いデバイスを使っている場合は、Apple IDからデバイスを削除しないと、高度なデータ保護をONにすることはできません。
- iOS 16.2にアップデートできないiPhone
- iPadOS 16.2にアップデートできないiPad
- macOS Ventura 13.1にアップデートできないMac
しれっと強制アップデートと旧デバイスの切り捨てを迫られます。
iOS 16.2にアップデートできない古いiPhoneは、アカウントから削除しないと高度なデータ保護を使えません。
最近のiPhoneやMacであっても、あえて古いバージョンのiOSやiPadOS、macOSを利用しているユーザーは、高度なデータ保護の使用を諦めるか、OSをアップデートするかの選択を迫られることになります。
自分のMac miniはmacOS Big Surのままで使っているのですが、iCloudの高度なデータ保護を使うためにVenturaにアップデートするつもりはないので、復旧キーをメモったものの、高度なデータ保護を利用するのは中止することにしました。