顧客の代わりに書籍を電子書籍にする“自炊”作業を請け負う「自炊代行サービス」に対して、最高裁で著作権法違反の判決が確定しました。
個人が、自分の持っている書籍を自炊するのは「私的複製」にあたり合法ですが、業者に代行して貰うと違法ということになります。
自炊とは、持っている書籍を裁断してスキャナーで読み込み、pdfにしたりアーカイブに圧縮して電子書籍ファイルにする作業のこと。自炊したデータは、画像ビューアーや電子書籍リーダーで読み込んで観覧することができます。
自炊作業自体は簡単ですが、裁断機とスキャナーが高価な上、作業に時間も手間もかかることから、代行業者が請け負う仕組みが一般的なものとなっていました。顧客から送付されてきた書籍を裁断して読み取り、電子データ化して顧客に納品という作業は、業者的にも美味しい商売だったようで、東京や大阪、福岡などに複数の業者が存在していましたが、一部の自炊代行業者のサイトは見られなくなっており、今後は減っていくものとみられます。
ただ、一定のニーズは確かにあるので、自炊機材のレンタルなどで生き残る道もありそうです。
- Source 日本経済新聞
- Source WSJ