iPhoneとiPadがQualcommのライセンスを違反しているとしてAppleと揉めている一件で、Qualcommが公式発表を行いました。その中には、QualcommのLTEモデムを搭載している「iPhone 7」の通信速度が意図的に制限されているという、ちょっと興味を惹く記述があります。
実は、「iPhone 7」はキャリアによって搭載されているLTEモデムが異なります。
海外キャリアの話になりますが、Verisonの「iPhone 7」にはQualcommのSnapdragon X12モデムが搭載されていて、下りの速度は最大600Mbpsまで出ます。一方、AT&Tの「iPhone 7」はそれよりパフォーマンスが劣るIntelのLTEモデムが搭載されていて、下りの速度は最大450Mbpsまでしか出ません。
通常であれば、Verisonの「iPhone 7」の方が通信速度が速いはずですが、Twin Primeが実施したテストによると、VerisonとAT&Tとであまり違いが無いことが判明。
同じX12モデムを搭載する「Galaxy S7」は理論値に近い速度が出ていることから、「iPhone 7」に搭載されているX12モデムが450Mbpsに制限されていることが明るみになりました。
どうやって制限されているのか?
QualcommとIntelの競争条件を平準化するために、X12モデムに実装されている通信を高速に行う為の機能(4×4 MIMOなど)が無効化されているということです。Appleが意図的に行っているわけですが、Qualcommによると、この件に関して黙っておくようにAppleからお達しがあったいいます。
この制限で一番割を食っているのは、無意味に性能を低下させられているVerisonの「iPhone 7」「iPhone 7 Plus」ユーザーであることは間違いありません。
iPhone 8への影響は?
現在、AppleとQualcommはかなり揉めているようなので、今年発売予定の「iPhone 8」にも影響が出ないかちょっと心配ですね。
ちなみに「Galaxy S8」には、LTEモデムとしてSnapdragon X16が搭載されています。
下りの速度で最大1Gbps、上りで最大150Mbpsという驚異のスペック。
このX16が「iPhone 8」には搭載されない・・・なんていう可能性も出て来ましたが、どうなるでしょう?
- Source Qualcomm
- Source Cellular Insights
- Source Bloomberg
- Via CNET Japan