iPhoneを含むスマートフォンやPCなどのハイテク製品は、トランプ関税の免除対象になるという報道が昨日行われました。
これは中国で生産されて米国に輸入されるiPhoneを優遇する処置ともとれ、金融市場にひとまずの安堵感が広がりましたが、今日になってトランプ政権の関係者が追加情報として 「恒久的な免除ではない」「1ヶ月〜2ヶ月程度の猶予期間をもたせる」「スマートフォンも半導体の関税に入る」 と述べたことで、今後も株を含めた金融市場の混乱は続きそうです。
具体的には、今後発表される半導体に適用される関税と同じ税率がiPhoneにも課せられるということです。
今回のトランプ関税の目標の1つには「iPhoneを米国内で生産するように促す」ことがあります。そのために関税を大幅に引き上げるというパワープレイを無理やり実行しているわけですが、現実問題として、iPhoneを米国で生産することは 可能なのでしょうか?
iPhoneを米国で生産させたいトランプ
現在のiPhoneのパーツのほとんどが海外製です。半導体は台湾・韓国・日本といったアジアメーカー、バッテリーやフレームには中国メーカーが採用されています。中国抜きでiPhoneを生産する場合、特にバッテリーの供給が問題となります。
スマートフォンやEVを含めたバッテリーの世界シェアトップは中国メーカーで実に70%を占めていて、安価かつ高性能なバッテリーを大量供給できる工場設備が整っています。米国にはそのような工場はなく、パナソニックのバッテリー工場はあるもののこれはEV用のバッテリーで、スマートフォン向けではありません。今から工場を建設するとして、稼働するようになるまで数年かかるでしょう。
さらに問題なのがレアアースの供給です。 これについても中国のシェアが圧倒的で、中国との貿易なしでレアアースを必要とする製品を大量生産するのは全く現実的ではないですね。
仮に、iPhoneがトランプ関税の免除対象になったとしても、最終目標が米国内での生産だとすると、製造コストはどうしても跳ね上がるので、将来的にiPhoneの価格は上昇することになるでしょう。間違いなく。
トンランプ政権の発足は2025年1月20日。まだ始まったばかり。 これがあと4年続くんですよね。
- Source ロイター