新型コロナウイルスが流行してからというもの、中国の大気汚染が正常化しつつあるという話。
大気汚染を監視しているNASAとESAの人工衛星が撮影した写真によると、中国上空の大気には1月1日の時点で高濃度の二酸化窒素が大量に含まれていますが、2月25日の中国上空の大気は、二酸化窒素の濃度が正常に戻っています。
これは、武漢市を中心とした新型コロナウイルスの蔓延によって、中国国内の製造工場が軒並み閉鎖されたことによる影響だと考えられています。
二酸化窒素は、自動車、火力発電所、工場などから排出されます。
新型コロナウイルスの感染拡大で工場が操業を停止、人が家に籠もるようになったことで排出ガス自体が減少。結果的に、二酸化窒素の濃度が正常化したというわけです。
中国国内では、毎年、旧正月の春節の時期になると工場の操業が停止することから、大気中の二酸化窒素の濃度は薄まり、春節が終わると再び濃度が濃くなるという傾向があるようです。
北京オリンピックの際にも(無理やり工場を操業させなくして)一時的に大気汚染はマシになったようですが、これまたオリンピックが閉幕すると、再び大気汚染が酷くなったといいます。
今回の新型コロナウイルスについては、春節や北京オリンピックよりも長い間、生産活動が停止すると予想されています。
二酸化窒素とは?
二酸化窒素は、化石燃料の燃焼によって生成されたり、自動車の排気ガスに含まれる
二酸化窒素の影響
- のどや気管、肺に悪影響を与える
- 紫外線を受けると光化学オキシダントを発生させる
- 光化学オキシダントは目の痛みや吐き気、頭痛を引き起こす(光化学スモッグ)
- 酸性雨の原因になる
厄介な新型コロナウイルスがもたらした、大気の正常化という思わぬ功績。
今年の黄砂は、汚染度がちょっとマシになりそうですね。
今回のデータでは二酸化窒素の濃度だけですが、PM2.5なども減少しているでしょうね。
どっちみちマスクは無いし、そっちの方が有り難いかも。
- Source NASA