Appleが、iPhoneやMacの純正パーツや工具を購入してセルフで修理ができるサービス「Self Service Repair」を米国で提供開始しました。
純正パーツはオンラインで販売され、iPhoneのディスプレイやバッテリー、カメラなどのパーツを自分で交換することができるようになります。Apple公式のサービスなので、パーツ交換時のシステム構成のチェックも問題ありません。専用工具は、Apple認定サービスプロバイダが使っている物と全く同じツールキットをレンタルすることができます。
そして、このツールキットがかなり本格的なもので、みなさんが想像している専用工具とはちょっと違っています。
そこが今回の最大の注目ポイントになるかも。
セルフ修理の手順
- Appleサポートで公開されているリペアマニュアルを見る
- 自分でも作業ができそうなら、セルフ修理サービス専用サイトのSelf Service Repairで純正パーツと専用工具を入手
- リペアマニュアルを見ながら修理
- システム構成が必要ならサポートチームに連絡
- 交換したパーツは引き取ってもらう
純正パーツや修理マニュアルが提供される製品
- iPhone 12シリーズ
- iPhone 13シリーズ
- iPhone SE 3
- AppleシリコンMac(今年後半から開始予定)
セルフで交換できる純正パーツ
- ディスプレイ
- カメラ
- ボトムスピーカー
- バッテリー
- SIMトレイ
純正パーツを交換した際にシステム構成が必要な場合は、チャットか電話でサポートチームに連絡すればOK。交換して不要になったパーツは、返却すればリサイクルしてくれます。
専用工具が本格的で凄い!
リペアマニュアルをチェックすると、必要な純正パーツと工具が記載されていて、作業手順が写真入りで丁寧に解説されていました。それを見ていて、ちょっと驚いたのが「専用工具が本格的すぎる!」ということ。
一般的にiPhoneのディスプレイ交換に使う専用工具といえば、iFixitで見慣れているサクションカップタイプの吸盤のアレを思い浮かべますが、「Self Service Repair」で提供される専用工具(ツールキット)はまさに装置。
ディスプレイの取り外しは、こういう装置を使います。
そして、組付けにはこういうプレス装置。
かなり本格的ですね。
タイヤ交換を例にすると、タイヤレバーを使う方法がiFixitのサクションカップだとすれば、Appleのセルフリペアサービスはタイヤチェンジャーを使った方法のようです。
ディスプレイの着脱から組み付けまでを、ツールキットだけで完了させることができます。
さすがプロ向けの専用工具。
いくらかかる?
セルフ修理を行うには、純正パーツの購入と専用工具のレンタルが必要になります。
それには、一体いくらかかるのか?
チェックしてみました。
iPhone 12 miniのバッテリー交換を例にあげると、バッテリーバンドルが70.99ドル、交換用のツールキットの1週間レンタル料が49ドルで、合計119.99ドルかかる計算。
iPhone 12 miniのバッテリー交換
- セルフで交換:119.99ドル
- Appleで交換:69ドル
Appleの正規サービスプロバイダで交換してもらう場合と比較すると、ツールキットのレンタル料の分だけ割高になることがわかりました。つまり、自分でやるよりも、お店でやってもらった方が安くて安心というわけです。
コストだけを見ると割高ですが、iPhoneを自分で修理してみたい、プロ向けのツールキットを使ってみたいという知的好奇心を満たすためのホビーとしてのサービスとしてみると、なかなか面白いと思います。今年後半からは、ヨーロッパや他の国でも利用できるようになるということで、近いうちに日本でも利用できる日が来るかもしれません。
- Source Apple Newsroom
- Source Self Service Repair
- Source Self Service Repair Store