Appleのワイヤレス充電パッド「AirPower」が発熱問題を解消できずに発売中止

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Airpower is dead

Appleが発売を予定していたワイヤレス充電パッド「AirPower」が、ここにきて発売中止というニュース。

発売中止の理由としては、ハードウェアの問題があり、Appleが定めた基準を満たすことができなかったからとされています。

具体的な原因としては“発熱問題”が指摘されています。

「AirPower」が発表されたのは2017年9月のこと。
マルチコイルを内蔵することで、同時に複数デバイスのワイヤレス充電に対応していることが特長の製品でしたが、どうやらその欲張りな仕様が良くなかったようです。

未発売の製品の為、詳しい内部構造は不明ながら、「AirPower」にはワイヤレス充電を行うためのコイルが複数あり、そのコイル同士が近い場所に設置されていることで、ワイヤレス充電を行うとどうしても発熱してしまうという、率直に言えば設計上のミスがあったようです。

エンジニアがこの設計上のミスを認めずに、デザインや仕様を変更しないまま発熱問題を解消しようとした為、発売延期がいたずらに長引き、結果的に発売中止となってしまったという流れ。

ただ、幸いにも「AirPower」はそこまでユーザーから求められていた製品というわけではなく、代替品も数多く存在するので、発売中止の影響はあまり大きくないでしょう。

Apple製品の爆熱仕様は今に始まったことではない

Apple製品がデザイン(特に省スペース性や静音性)を重視するあまり、発熱を無視した設計にしてしまうのは昔から良くあることです。

爆熱といえば、かつて「Time Capsule」というネットワークストレージ製品がありました。

Wi-FiのチップやHDDが内蔵されていてかなりの爆熱になるのですが、しょぼいシロッコファンが付いているだけで冷却が全く追いつかない上に、通気口がほとんどゴムで覆われているという、わけのわからない設計でした。

ゴムを取っ払い冷却ファン付きの冷却台に乗せて使う時だけ電源を入れるという、Appleのコンセプトに反する使い方をしていましたが、それでも2年ほどで故障しました。(電源ユニットが熱で死んだ)

省スペースの「Mac mini (2012)」も爆熱です。
これはこの当時のIntelのCPUがかなり発熱するのが原因ですが、デフォの冷却ファン制御ではすぐに爆熱になってしまいます。動画のエンコードなど重い処理をするときは、ファンコントロールアプリで冷却ファンの回転数を最大(5,500rpm)まで上げないと、処理中に落ちて勝手に再起動してしまいます。落ち方によっては処理前のデータが飛ぶこともあります。

(メモリやHDDを簡単に交換できる仕様は、爆熱のデメリットを補って余りある魅力ですが)

最近はチップの省電力化により発熱もかなり落ち着きましたが、MacBookファミリーのキーボードの問題のように、スリム化・省スペース化の弊害は常につきまとっています。

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