Epic Gamesの人気タイトル「Fortnite(フォートナイト)」が、App Storeから削除されました。
新規でダウンロードすることができないので、今後はアプリのアップデートもできませんし、一度削除してしまうと再ダウンロードもできなくなります。
こうなった原因はというと、Epic Games側がApp Storeの手数料を30%から20%に割引するようにApple側と交渉していましたが、これが決裂。納得のいかないEpic Gamesが独自の課金システムをアプリに導入したところ、App Storeの規約違反にあたるとして「Fortnite」がApp Storeから削除されたという流れになります。
そりゃ削除されるでしょうねって感じのニュース。
そもそも、30%という手数料は高いのでしょうか?
そこが気になりますよね。
30%の手数料は高いか妥当か?
Appleが提供するApp StoreとGoogleが提供するGoogle Playでは、販売したアプリの売上の70%を開発者が、30%をプラットフォーム側が手数料という形で徴収する契約になっています。
- 1,000円のアプリが売れた場合:700円が開発者の収益、300円が手数料となる
App Storeだけが高いというわけではなく、スマホのアプリストアとしては標準的な手数料となります。
注目度の高いプラットフォームで販売できて30%の手数料なら条件はそう悪くないと思うのですが、Epic Gamesはそうではなかったということです。
自社プラットフォームでやりたいEpic Games
「Fortnite」はPCゲームとしても配信されていますが、そちらでもSteamというプラットフォームから脱して、Epic Gamesの独自プラットフォームとなるEpic Gamesストアを作って配信するようになっているので、その流れからしても、本当は自社のプラットフォームでやりたいという狙いがあるようです。
iOSアプリはApp Storeを通さないと販売できない→でも、30%の手数料は高い→20%に値引きもしてくれないみたい→それなら、アプリ内課金だけ自社のシステムでやろう!→AppleにバレてApp Storeから削除される
Apple側からするとEpic Gamesだけを手数料20%にすることはできないし、規約違反でアプリを削除するのは当然の措置。例え意見の相違があったとしてもプラットフォーム側に従うのは仕方のないことだと思いますけど、Epic Gamesはバックが巨大企業だからか強気ですね。
Epic Gamesというとアメリカのゲーム会社だと思っている人が未だに多いですが、今現在は中国企業テンセントの傘下になります。あの「Unreal」や「Gears of War」を作ったクリフ・ブレジンスキーもとっくに退社していて、名前は同じEpic Gamesでありながら、今は全く別のゲーム会社です。「Fortnite」がいかにも中国向けのゲーム(PUBGや荒野行動みたいな感じ)なのも、テンセント傘下という事が強く影響しています。
そういう点から今回の一件を、米国企業VS中国企業と見ることもできます。
ゲームよりも、この揉め事がどう転ぶかの方が面白そう。
- Source The Verge