AppleシリコンMacには、これまでのIntel CPUの代わりにApple M1チップというSoC(システムオンチップ)が搭載されています。
iOSデバイスでは常識となったSoCですが、Macに搭載されるのは初めてのことなのでかなり気になる存在です。
初モノとなるAppleシリコンMacの3モデル(MacBook Air / MacBook Pro / Mac mini)は、全て同じM1チップが搭載されているので、このチップの性能がAppleシリコンMacの性能に直結しています。
一体どういうものなのか?
Appleが公開している情報を簡単にまとめてみましょう。
M1チップはMacのために設計された5nmプロセスのSoCとされています。
5nmプロセスのSoCとしてはiPhone 12シリーズに搭載されているA14チップがあり、M1チップはその派生モデルとなります。
A14チップは6コアですが、M1チップは8コア。
機械学習を行うNeural Engineはどちらも同じ16コア。
A14Xチップみたいなものでしょうか。
GPUの性能は2.6 TFLOPS。
デスクトップ用のGPUと比較すると、10年前のハイエンドGPUと同じくらいというと微妙な感じがしますが、組み込み型GPUとしては、最新のRadeon E9260の2.5 TFLOPSよりもちょっと上。組み込み型GPUとしては間違いなく世界で最速です。
グラフィック能力をこれまでのMacと比較する場合、例えばもともとショボいGPUだったMac miniやMacBook Airなら、AppleシリコンMacにすることでグラフィック能力は大幅アップ!になりますが、元々それなりのスペックがあったMacBook Proの場合は大幅アップには期待できません。
モデル別に異なるGPUを搭載できたIntel Macとは違い、M1チップはスペックが横並びになってしまうということがメリットでもありデメリットでもあります。
Appleが公称しているスペックの目安としては、CPUは3.5倍、GPUは6倍、機械学習は15倍アップ。それでいて、バッテリー駆動時間は2倍に延びているとあります。(こっちの方が分かりやすいか)
Apple M1チップ
- 5nmプロセスSoC
- CPUは8コア(高性能コア4つ、高効率コア4つ)
- 4つの高効率コアだけでMacBook Airと同等のパフォーマンス
- GPUは2.6 TFLOPS
- AES暗号化ストレージコントローラー
- USB 4対応のThunderboltコントローラー
- 画像信号プロセッサ(ISP)
- セキュリティ機能Secure Enclave
- 省電力のメディアエンコーディング / デコーディングエンジン
CPUとGPUだけじゃなくて、色々な機能が1つのチップに搭載されているんですね。
高性能と省電力化というメリットが一番ですが、M1チップになったことでiOSアプリがそのまま動くようになるというのも大きなメリットですね。アプリによっては、Mac版を使うよりもiOS版を使ったほうが便利なものもありますし。まあ、逆もありますけどね。
Macアプリはどうなるのか?というと、Apple純正のアプリは全てユニバーサルアプリとなりネイティブに動作。その他のアプリもデベロッパーが再コンパイルすることでユニバーサルアプリ化することができます。仮に対応されない場合でも、Rosetta 2テクノロジーでエミュレーションされるので一応の動作は可能なようです。
- Source 次世代のMacを発表 - Apple