ステージマネージャとは?
この秋に正式リリースされるiPadOS 16には、新しくステージマネージャという機能が追加されます。
iOSにはないiPadOS独自のマルチタスク機能で、これまでフルスクリーン表示だったアプリのウィンドウサイズを変更することで、アプリの画面を表示しながらDockにアクセスしたり、左端に表示されている起動中のアプリに切り替えることができます。
これまでの分割画面と比べて、直感的に使うことができ、アプリのウィンドウサイズは自由に変更できるのとDockが常に表示されるので、ホーム画面に戻らなくてもアプリを起動できるという違いがあります。
さらに、外部ディスプレイに接続するとデュアルディスプレイとして使うことができ、最大8つのアプリを同時起動して作業が行えます。アプリによってはドラッグ&ドロップも使えるので、macOSにより近い使用感になります。
iPadOS 16 ステージマネージャの機能
- アプリのウィンドウサイズを変更
- アプリのウィンドウを重ねて表示
- 起動中のアプリは左にサムネイル表示、スムーズに切替え
- Dockからアプリを起動
- 外部ディスプレイのサポート(最大6Kディスプレイ)
- 最大8つのアプリを同時起動(iPad 4つ + 外部ディスプレイ 4つ)
このように、iPadOS 16の新機能としては最も魅力的なステージマネージャですが、使えるモデルには制限があります。
ステージマネージャが使えるのはM1チップ搭載iPadのみ
iPadOS 16のマルチタスク機能としてかなり重要な位置付けのステージマネージャですが、M1チップ搭載のiPad ProとiPad Air 5でしか使えません。その理由としては、最大6Kディスプレイへ接続して最大8つのアプリを同時に起動するために、それ相応のスペックが必要とされているからです。
ステージマネージャの安定動作には、CPUの処理能力よりも、チップに搭載されているメモリ容量とストレージのファイル転送速度が重視されます。そして、外部ディスプレイへの6K出力も必須条件となっているので、この条件を満たすのは、M1チップを搭載するiPad ProとiPad Air 5だけというわけです。
処理能力だけなら、A15チップを搭載するiPad mini 6やA12Zチップを搭載するiPad Proでもステージマネージャは十分動作するでしょうが、これらのモデルは外部ディスプレイ出力が4Kまでとなります。
- A15チップ:1台の外部ディスプレイで最大4K@30Hzをサポート
- M1チップ:1台の外部ディスプレイで最大6K@60Hzをサポート
仮に、iPad mini 6でステージマネージャが使えたとしても、本体のディスプレイが小さすぎるのであまり意味がありませんし、旧モデルのiPad Proに関しては、前述の6K出力非対応を理由に切り捨てられています。
Appleは、最新OSの新機能で旧モデルを切り捨ててくるのがパターンとなっているので、今回のステージマネージャもいつもの通り、最新モデルのみで使える新機能ということになります。
I asked Apple about Stage Manager on the iPad as well, and here’s what they said:
— Rene Ritchie (@reneritchie) June 10, 2022
(Full text in ALT image description) https://t.co/m8ceA7qKtJ pic.twitter.com/XttErFPeS5
(ステージマネージャがM1 iPadでしか使えない理由について、Appleからの回答。大容量のメモリ、高速ストレージ、外部ディスプレイ出力が必要な為、M1 iPadのみで使えるとあります。)
- Source Apple (日本)