生成AIにまつわる米中の半導体輸出規制合戦、日本のユーザーにも影響出そう?

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Nvidia teslav100

米国と中国間で、半導体の輸出規制合戦が行われようとしています。

米国は、生成AIで高速に処理を行うための高性能な半導体を中国に輸出するのを規制する方針で、早ければ今月中にも輸出規制が施行されます。

米国のAI半導体輸出規制

  • AI向け半導体の中国への輸出を原則禁じる規制
  • 事前にライセンスを取得しないと出荷できなくなる
  • 早ければ7月初旬にも措置を講じる
  • NVIDIAは規制基準を下回る性能のAI半導体「A800」を中国市場向けに製造・販売していたが、新たな規制では、A800でもライセンスが必要となる
  • 中国のAI企業に対するクラウドサービスの利用制限も検討

この規制により、NVIDIAなどAI関連のハイテク銘柄や中国株にはかなりの影響が出るだろうと予想されていますが、中国はこれに対抗して、8月1日から、半導体を製造するために使用される窒化ガリウムやゲルマニウムなどの材料を輸出規制するようです。

中国の半導体材料輸出規制

  • 8月1日から、半導体の材料に使うガリウムなどを輸出規制する
  • 中国当局の許可がなければ輸出できない
  • 中国はこれらの物資に高いシェアを持っていて、輸出規制で米国の対中圧力に対抗する狙いがあるとみられる

窒化ガリウム(GaN)といえば、某メーカーAのUSB充電器に採用されていることで知られていますね。日本人にとって影響が大きいのは、中国側のレアメタルの輸出規制です。

これらのレアメタルはスマートフォンなどに使用されている半導体を製造するのに必要な材料となるので、それが不足すれば供給不足になってしまいます。スマートフォンやUSB充電器などは、日用品や食品と比べるとそれほど頻繁に購入する製品ではありませんが、製品価格への影響が心配されるところです。

また、ハードウェアの価格が上がると各種クラウドストレージなどWebサービスや、Google Colabのようなサーバーの利用料金が値上げされるという懸念も出てきます。

日本にとっては、何も良いことなしの米中輸出規制合戦。

近い将来、iPhoneやMacの価格がさらに上がるというのは勘弁してほしいけど。

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