macOS向けの画像編集アプリとして定番となっていたAffinity PhotoやAffinity Designerを開発・提供していたSerifがCanvaによって買収されました。
Canvaはオーストラリアの企業によって2013年頃からオンラインサービスとして開始され、数々の画像素材サイトやテンプレートサイトなどを買収して大きくなってきたサービスです。
つい最近では、ビートたけしが出演しているTVCMが日本でも放送されるなど、一般層への普及を加速させていますが、その一方で、Affinity PhotoやAffinity Designerといった専門性の高いアプリを開発しているSerifを買収して、オンライングラフィックサービスの覇権を握ろうとしているようです。
今回の一件で既存のAffinity PhotoやDesignerのユーザーが気にしているのが「今後はどうなるのか?」という点ですが、これについてSerifのプレスリリースで回答がありました。
Affinityの販売方法が変更される?
今後も永久ライセンスを提供し続けることをお約束します。サブスクリプションを提供する場合は、永久ライセンスと並んでオプションとしてのみ提供されます。
Affinity PhotoやDesignerは、ライセンスを1度購入すると(バージョンが変わるまで)ずーっと使える販売スタイルですが、Canvasは月額料金をずーっと支払い続けるサブスクリプションということで、販売方法がサブスクリプションになってしまうと厳しいものがありますが、とりあえずAffinityに関しては従来の販売スタイルのまま変わらないということです。
今後のAffinityはどうなる?
スタンドアロン製品としてのAffinityへのさらなる投資を通じて、Affinityの製品を拡大し続けることをお約束します。
可変フォントのサポート、ブレンドと幅ツール、オブジェクトの自動選択、複数ページの見開き、ePub書き出しなど、要望の多かった機能は、V2の無償アップデートとして2025年にリリースされる予定です。
AI機能の実装が期待されていたAffinity Photoですが、オブジェクトの自動選択はAIなのかな?それでも2025年のアップデートということで、まだまだ先の話。いち早くAI機能を実装してきたAdobeと比べてしまうと、やっぱり見劣りしますね。
Canvaとの統合はありますか?
将来的にAffinityとCanvaの間で何らかの統合が行われる可能性があります。統合はCanvaの追加リソースとして行われます。
CanvaからAffinityへの機能追加は無いということで、AI機能を使いたいのならCanvaを使うか、もっと本格的にやるならAdobeということになります。AffinityへのAI機能の実装に期待していたユーザーにはちょっと残念なお知らせになりますが、Afinity PhotoやDesignerの開発は今後もSerifによって継続されるので、いずれ移行することも検討しつつ、現在のライセンスのまま使い続けるのがいいのかなと思います。
- Source Serif プレスリリース