Microsoftのデータセンターにある100万台以上のHDDから得られたデータから、HDDの故障原因は“温度”ではなく“湿度”であるという論文が発表され、話題を呼んでいます。
もちろん温度も故障原因になりえますが、実はその影響はかなり低いのだそう。そして、例え、高温であっても乾燥状態にあれば故障は少ないのだといいます。
これまでHDDといえば、必ず冷却するものだという認識でした。冷却方法がいまいちだったり、チップが高温になるHDDは直ぐにぶっ壊れる!とされてきましたが、今回の論文ではその常識が覆されたことになります。
HDDが高寿命になる環境
- 低温・乾燥(高)
- 高温・乾燥(中)
- 高温・高湿(低)
HDDにとって最悪なのが高温・多湿の状態で、高温・乾燥の状態と比べると、ディスクコントローラーや接続エラーが発生する割合が2倍に跳ね上がるということです。
日本で運用するHDDは、ほぼ高温・多湿に晒されます。
電気代節約の為に、梅雨時期でもエアコンを使わずに窓を開けて運用するとか、部屋の中に水槽があるといった環境なら更にヤバいでしょう。
チップ類は冷却、HDDは温風で乾かす?
この論文によると、高湿度の環境では、サーバの背面にディスクを配置するのが最も信頼性が高いということです。
冷却を必要とするマザーボード(ロジックボード)やRAMなどのチップ類はこれまで通りで、乾燥を必要とするHDDだけはPCケースの背面に置いて、電源や冷却ファンから出る熱風で乾燥させるのが良いということでしょうか?
ただ、自作PCブームが廃れた現在、そこまでやる人はごく少数でしょう。
現実的な対策としては、梅雨時期や夏期の雨の日にはケチらずにエアコンを付けることと、乾燥剤をPCケース内に入れるくらいでしょうか。
それでもやらないよりは効果がありそうですね。
- Source ZDNet Japan