Apple初の純正Bluetoothイヤホンとして発売された、ケーブルが存在しない左右完全分離型のワイヤレスイヤホン「AirPods」。
生産が間に合わずに発売が延期され、一番売れる時期のホリデーシーズンからちょっとズレて発売されたこともあり、発売後の売れ行きが注目されていました。
今回、市場調査会社のSliceが、「AirPods」の発売でイヤホン市場のトレンドがどう変化したのかを、グラフを交えたレポートで発表しました。それによると、「AirPods」に関するネガティブニュースは売れ行きに全く影響を与えなかったようです。
「AirPods」の発売日はブラックフライデーを超えた
- 発売日の12月13日は、2016年にオンラインで販売されたイヤホンで最も売上があった1日となった
- 一年で最も物が売れるとされているブラックフライデーやサイバーマンデーよりも売り上げがあった
- 発売された12月にオンライン販売されたヘッドホンの内、75%がワイヤレスだった(前年同月比で25%アップ)
「AirPods」の登場で、ワイヤレスヘッドホンのシェアが変動
「AirPods」の発売前と発売後のワイヤレスヘッドホン/イヤホンのシェアの変動をグラフにしたものを見ると、発売前にはシェア1位が「Beats」2位が「Bose」、次いで「Plantronics」「Jaybird」というメーカーが続いていますが、「AirPods」の発売後はこれがかなり変動します。
まず1位がダントツで「AirPods」になり、「Beats」が10%程シェアを減らします。逆に「Bose」は6%シェアを増やしています。そして「Plantronics」と「Jaybird」はシェアを大幅に減らし、4位に「Sony」が躍り出ています。
理由として考えられるのは、Appleが販売していたという理由で「Beats」を使っていたAppleファンが「AirPods」に乗りかえた事。そして、「Plantronics」と「Jaybird」は、価格帯が競合している点や左右完全分離型ではない点などから、完全に「AirPods」に食われた形でシェアを減らし、音質重視の「Bose」や「Sony」は、「AirPods」とは競合しないので影響を受けずにシェアが延びたとみられます。
Bluetoothイヤホンは便利ですが、やっぱりケーブルがあるとガサガサしたりして不快なので、音質よりも利便性を重視するユーザーのトレンドは、確実に左右完全分離型にシフトしていきそうです。
- Source Slice Intelligence