iPhoneのバッテリー劣化によるパフォーマンス低下機能は「iOS 10.2.1」から実装された

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以前、iPhoneのバッテリーが劣化してくると性能がダウンする、CPUがクロックダウンされている、iOSが意図的に行っているように思えるといった内容の話題がRedditから出ましたが、それについての続報です。

ベンチマークテストアプリを開発しているGeekbenchが、「iPhone 6s」「iPhone 7」のベンチマークテスト結果から平均値よりも低いスコアが出た数を集計し、カーネル密度推定グラフにして公開しました。

「iOS 10.2.0」「iOS 10.2.1」「iOS 11.2」の3バージョン、それぞれバッテリー残量に伴うベンチマークスコア(シングルコア時)の変動を集計してグラフ化したものです。(低電力モードは含まず)

IPhone6s batteryrekkabench 01

まずは「iPhone 6s」から、「iOS 10.2」と「iOS 10.2.1」との比較。

「iOS 10.2」の時はなだらかでバッテリー残量に伴う性能の変化はみられません。一方で「iOS 10.2.1」 では細かい変化がみられます。約500mAh刻みで、小さな変化が数回あるのが分かります。

iOS 10.2.1」は、幾つかのバグを修正するアップデートとして2017年1月にリリースされたものです。リリースノートにはありませんが“iPhone 6の予期せぬシャットダウンの修正”も含まれているとされています。このグラフを見ると、「iOS 10.2.1」以降、バッテリー管理機能に変更が加えられたのは確かなようです。

バッテリーが劣化してくると電圧が低下して、バッテリー残量がまだある状態でもいきなりシャットダウンされてしまいます。それを防ぐためには、電圧を下げないようにしないといけません。そのために、意図的にCPUをクロックダウンさせるというわけです。

この機能は「iOS 10.2.1」より実装されたことになります。

IPhone6s batteryrekkabench 02

「iOS 11.2」になると、さらに性能の低下は著しくなっています。

「iPhone 6s」のバッテリーが経年劣化してきて、さらに性能の低下が顕著になったことの表れです。

IPhone6s batteryrekkabench 03

「iPhone 7」でも少しだけ変化がみられます。

発売されてから2年経ったあたりからバッテリーが急激に劣化してくるので、「iPhone 7」も来年あたりから性能の低下が報告されるようになりそうですね。

バッテリー残量が少ないのとパフォーマンスが落ちるのと、どっちがマシ?

安価で大容量なモバイルバッテリーが普及した今、後者を選ぶ人の方が多いのではないでしょうか。ただ、この機能を使うか使わないか、ユーザーに選択権は与えられていません。

ちなみに、予期せぬシャットダウン問題でバッテリーのリコールが行われたのは、「iPhone 6s」のみです。

「iPhone 6」にも同様の報告がありましたが、「iOS 10.2.1」へのアップデートでこのリコールは回避されました。今後は、バッテリーに相当な欠陥でもない限りリコールされることは無さそうです。

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