世界で初めて折りたたみスマホを発売した中国のメーカーRoyole Technologiesが、経営難により事業破産したと報じられています。
Royoleは2012年に設立された企業で、折りたたみスマホ「FlexPai」を2018年のCES 2018で発表した、この分野のパイオニアとされています。同製品は12月に発売されましたが、実は、Samsungが折りたたみスマホに参入してくることに焦って不完全なまま発売した製品でした。
- Royole FlexPai:2018年発売
- Samsung Galaxy Fold / Z Flip:2019年発売
FlexPaiはフレキシブルAMOLEDディスプレイを搭載、7.8インチのタブレット型デバイスを外側に折りたたむとスマホサイズになるという仕組みで、ハードウェアとしては野心的なものでしたが、突貫工事で発売したためかソフトウェアが未完成という状態にありました。
OSはAndroidOSベースのWaterOSで、デバイスを折りたたんだり開いたりする度に、表示がバグるなどの挙動がユーザーをいらつかせました。その後登場したSamsung Galaxy Foldの方が製品としての完成度が遥かに高かったため、世間の注目は、先行者であるはずのRoyoleではなく後発のSamsungの折りたたみスマホに向いてしまい、予想したほどの人気を得ることはできず、その後、中国メーカーのHuaweiやXiaomiからも折りたたみスマホが登場したことで、新興メーカーのRoyoleはフェードアウトしていきました。
早期に参入することで得られる利益を「先行者利益」と呼びますが、その後に繋がるかどうかは、タイミングや運も左右するということがよく分かる一件ですね。
- Source Digitimes