(image: 「火垂るの墓」(C)野坂昭如 / 新潮社 1988)
スタジオジブリの名作アニメ映画「火垂るの墓」が、この夏、日本国内で初めてネット配信されることになりました!
Netflixでは、昨年より日本以外の約190カ国で配信されていましたが、日本国内では版権などの理由から配信は行われていませんでした。
7月15日からは、日本のNetflixでも視聴できるようになります。
1988年に高畑勲監督が手掛けたこの作品は、戦争孤児の兄妹が敗戦直後の過酷な状況で懸命に生き抜く姿を描き、国内外で多くの感動を呼び起こしました。
性格のネジ曲がった西ノ宮のオバハンと清太のぐうたらかつ反社会的な振る舞いについて賛否両論を巻き起こすことでも知られている名作ですが、まず平和な現代と、戦禍で両親を失った喪失感の中、未就学児の妹を連れて行く宛もなくさまよう清太とでは全く状況が違います。そんな体験をしたら人間は無気力になってしまっても不思議ではありません。そのあたりまで思慮してから清太の行動を評価してほしいですね。
また、西ノ宮のオバハンについては「こういう根性悪いオバハンいるよな」というリアリティのある人物ですが、こいつの本心では未就学児の節子を可愛がりたい(母性本能) という狙いがあったのかもしれないなと最近気づきました。節子の面倒を見たいけど清太が常にガードしているので可愛がれないというジレンマから、ちょっと強くあたってしまうというツンデレというかひねくれた気質があるような感じの人物像なのかもしれないですね。
そして「火垂るの墓」というと、毎年、終戦記念日シーズンには日テレの金曜ロードショーで放送されていたことでも有名です。夏の風物詩のような感じさえありましたが、近年は放送されていません。様々な理由があるようですが、今回のNetflixの配信開始により、日和っていた日テレが動くかにも注目したいところです。
- Source Netflix Japan