ユーザーの選択に関係無く、デフォルトの状態でもバックグラウンドで仮想通貨のマイニングを行っていたカレンダーアプリ「Calendar 2 for Mac」が、色々あってMac App Storeから削除されました。
ことの発端は、「Calendar 2 for Mac」を起動するとCPU使用率が200%に跳ね上がることを発見したユーザーが、CPUプロセスをチェックしたところ、仮想通貨のMoneroをマイニングするプロセスが原因だったことが判明。この一件を、開発元のQbixにツイートしたことで広く周知されることとなりました。
開発元のQbixは、ユーザーの選択に関係なくマイニングが行われることとCPU使用率が200%になるのはバグだとして、すぐに修正アップデートを公開しましたが、その後Mac App Storeから削除されました。
Mac App Storeから削除したのは開発元Qbixの判断なのか、Appleによるものなのかは明らかにされていません。
誤解が無いように説明しますと、このマイニング機能自体はユーザーに無断で仕込まれたものではなく、公式に実装が明記されていた機能です。
「Calendar 2 for Mac」は基本無料のアプリですが、アプリ内課金を行うことでプレミアム版の機能がアンロックされるようになっています。その他に、無課金でプレミアム版の機能を使いたいユーザー向けには、バックグラウンドで仮想通貨をマイニングすることでプレミアム版の機能がアンロックされるオプションが用意されています。
今回のケースでは、このマイニング機能がユーザーの選択に関係なく実行されていたことが問題視されています。
通常、CPUマイニングは使っていないリソースをマイニングに割り当てるのが基本です。
マルチコアのCPUなら、1コアのみをマイニングに割り当てるくらいでとどめておけば、他の作業にはほぼ影響を及ぼしません。一方で、全てのCPUコアをマイニングに使ってしまうと途端に動作が重くなり、快適性は失われCPUの温度はうなぎのぼりになりファンは爆音となります。常にエンコードしているようなものなので、電気代もかかります。マイニング専用のPCなら何も問題ありませんが、作業用PCの空きリソースでマイニングするなら欲張りはご法度です。
そのおかげ?で、今回の問題が明るみになったわけですが、コソコソ上手いことやってるアプリも中にはあるかもしれませんね。
収益化として広告の代わりにマイニングスクリプトを走らせるアプリやサービスはこれからも増えると思いますが、CPU使用率は10~30%程度にとどめておいてほしいというのがあります。そのくらいなら許せるぜ?っていう人も多いでしょうし。
@SGgrc @QbixApps Calendar 2 for Mac (from the App Store) launched a cryptocurrency miner without my permission. Then it ate 200% CPU until I found it and killed it. I didn't expect a miner infection from an App Store vendor. Wow. It runs the xmr-stak Monero miner.
— Fred Laxton (@fredonline) 2018年3月12日
- Source Ars Technica