AppleのスマートタグAirTagには、第三者によるストーキング防止用の機能として警告アラームと通知機能が備わっており、悪用される可能性は低いと言われていますが、本当にそうなのか?
ワシントン・ポストの記事では、他人のAirTagを1週間所持して、どのような反応が起こるかが試されましたが、それによると、AirTagはデジタルストーキングに悪用される可能性がそれなりにあるということが判明しています。
警告アラームと通知機能は正常に動作しますが、そこまで強力な抑止機能にはならないということです。
アラーム音が小さすぎる
まず、警告アラームについては、他人のAirTagを所持して3日後に初めて作動します。すぐに作動しないのは、追跡されているかどうかを判断する期間が3日間に設定されているからでしょう。ちょっと長すぎる気がしますね。
しかも、アラーム音は15秒ほどで鳴り止み、音量も小さいもの(普段のアラーム音と変わらない)だったということで、AirTagの取り付け場所によっては全く気がつかない可能性があります。
アラームの音量については、AirTagを探す時にアラーム音を鳴らすことができるので誰でも簡単にチェックできますが、めちゃくちゃ小さい音です。しかも、ソナー音のようなピピピッ!といった感じの電子音なので、場所によっては全く気が付きません。デフォの状態ですらそうなのに、AirTagを何かで覆われている状態なら音量はさらに小さくなります。デジタルストーカーをするような人物がアラーム音対策をしてこないわけはありません。
アラーム音はAirTag内部にあるスピーカーから発せられているので、今後、アップデートで音量を上げることができても、その音量は限られます。
通知機能についての矛盾
通知機能については、iPhoneに「不明なAirTagがあなたを追跡しています」という通知が出ますが、この通知はAppleデバイスでのみ行われます。Androidスマホを使っている人の場合は通知が出ないので、追跡されていることに全く気が付かないでしょう。
Appleデバイスで通知に気がついたとしても、現状では未知のAirTagを探す機能がありません。つまり、何者かに追跡されていることだけを知らされて、後は自分で探偵ごっこをやってね!という状態です。
セットアップされたAirTagの位置情報はAppleによって管理されているので、技術的には可能ですが、プライバシーの問題から提供されていません。
また、家族間でこの通知機能を無効化するファミリー設定があります。
つまり、家族の誰かからAirTagを取り付けられていた場合、アラーム音や通知すら出ないということです。
未知のAirTagを発見したら?
何者かによって取り付けられた未知のAirTagを発見することができた場合、AirTagの追跡を無効化する必要があります。
AirTagの電池を抜くだけで無効化することができますが、自宅で電池を抜いてしまうとその場所が最終ポイントとしてトラッキングされてしまうので、逆効果になることもあります。
- 自分とは無関係な場所に放置する
- 自分とは無関係な場所で電池を抜く
追跡者のことを考えると、この2つのどちらかが有効でしょう。
AirTagの電池は簡単に取り出すことができます。
- Source The Washington Post