現在のAppleデバイスでは、iPhoneやApple Watchで有機ELディスプレイが搭載されています。来年の2024年より、iPad Proを皮切りにiPadにも有機ELディスプレイが搭載されていく予定となっています。さらには、MacBook AirやMacBook Proにも有機ELディスプレイが搭載されると報じられています。
Appleデバイスのディスプレイの種類
Appleデバイスに搭載されているディスプレイの種類は、Retinaの名称で分類されていてちょっと分かりにくいのですが、以下のようになっています。
- Liquid Retina:液晶ディスプレイ
- Liquid Retina XDR:ミニLEDディスプレイ
- Super Retina XDR:有機ELディスプレイ
Liquid Retinaは液晶ディスプレイのこと。液晶だからLiquidなんですね。そして、液晶ディスプレイのバックライトをミニLEDにしたものがLiquid Retina XDRとなります。Liquid Retina XDRは、12.9インチiPad Proや14インチ / 16インチMacBook Proに搭載されています。
有機ELディスプレイはSuper Retina XDRという名称になり、iPhoneに搭載されています。
MacBookへの有機ELディスプレイ搭載は2026年頃
11インチと12.9インチのiPad Proへの有機ELディスプレイ搭載は2024年中に行われる見通しとなっていますが、MacBookシリーズへの搭載はさらに先になります。
Haitong Intl Tech Researchのアナリストの予想によると、14インチと16インチのMacBook Proモデルへの有機ELディスプレイの搭載は2026年を目指して計画しているということで、少なくとも、あと2世代はミニLEDディスプレイのままとなりそうです。また、MacBook Airの有機ELディスプレイ搭載モデルも開発中となっています。
ミニLEDから有機ELに変わることでデメリットも
有機ELディスプレイのメリットとしては、「高コントラスト」「黒の再現度が高い」「視野角が広い」「パネルを薄くフレキシブルに作れる」といった特性があり、デメリットとしては「焼き付きやすい」という特性があります。
iPhoneやApple Watchのように、同じ画面を長時間表示することの少ないデバイスではあまり気にすることはありませんが、iPadやMacBookシリーズでは少し気になる部分ですね。品質的にはミニLEDディスプレイで十分だし焼付きの心配もないのに、なぜ有機ELにシフトしていくのかというと、製造コストの問題があります。
有機ELよりもミニLEDの方が製造コストが高くつくので、コストを抑える目的で有機ELへのシフトが進むと予想されています。ミニLEDを搭載しているiPad ProやMacBook Proが有機ELにシフトすることで、ミニLEDの市場はデジタルガジェット向けから車載モニター向けへと鞍替えしていくと予想されています。
特に、同じ画面を表示しつづけることの多いMacBook Proに関しては、ミニLEDから有機ELへの過渡期には、ミニLED搭載の旧型の方が人気になるかもしれません。
- Source 9to5Mac