日本で最も有名なネットバンクの「ジャパンネット銀行」が、「PayPay銀行」への商号変更を決定したという、ネタかと思ったらネタじゃなかったニュース。
これは、ヤフー傘下のZホールディングスが出資する金融事業のサービス名をPayPayブランドに統一することによるもので、「ジャパンネット銀行」の他に「Yahoo! JAPANカード」「Yahoo!保険」「One Tap BUY」「YJFX!」「Yjam」などもPayPayブランドのサービス名に変更されます。
今回の大胆なサービス名の変更により、一部はこれまでより分かりやすくなり、一部はちょっと戸惑いのあるサービス名へと変わることになります。
ジャパンネット銀行はPayPay銀行へ
「One Tap BUY」→「PayPay 証券」、「YJFX!」→「PayPay FX」といった具合に、これまでよりも分かりやすくなるサービスがほとんどですが、「ジャパンネット銀行」→「PayPay銀行」に関してはちょっと抵抗感があります。
それもそのはず、「ジャパンネット銀行」といえば日本で一番有名なネットバンク。ネットバンクの先駆けとして2000年に設立されて以来、ネットユーザーにとっては欠かせない銀行として親しまれてきました。ネットの黎明期からあるネットバンクの名称変更、しかもそれがPayPayブランドになるということで、内部でもそれなりに揉めたんじゃないでしょうか。
これと同様のブランド名の変更例としては、楽天があります。
「イーバンク銀行」→「楽天銀行」を始めとして、その他のサービスも買収後に楽天なんとかにブランド名を統一して運営されています。
なぜ、PayPayブランドに統一なのか?その背景とは
ちょっと面白いのが、ブランド名の統一でヤフーなんとかじゃなくてPayPayなんとかになったこと。
日本国内では間違いなくPayPayブランドよりもヤフーブランドの方が強いし、信頼性も高いわけで、ネットバンクなんて信頼性が高くないと使わないんだからどう考えても「ヤフー銀行」にする方が顧客満足度は高いはずなのに、なぜ「PayPay銀行」になったのか?
それは、ライセンス使用料を払いたくないからでしょう。
ヤフーブランド自体はアメリカのYahoo!からライセンスを受けてブランド名を使用しているので、ヤフーブランドを使ったことでライセンス料が発生します。ヤフーブランドのライセンス料は売上高の3%を占めており、無視出来ない額になります。
そのため、ソフトバンクはヤフーからPayPayブランドへシフトしていきたいという考えがあるようです。
そういう理由があったんだということが分かると、今回のブランド名の変更も納得がいきますね。
「ジャパンネット銀行」のサービス名の変更は、2021年前半に予定されています。
- Source Zホールディングス株式会社