GoPro HERO 10 Blackを購入ました。
かなり期待して購入したのですが、2ヶ月ほど使ってみた結果「そこまで進化していない」ということが分かりました。
サクサク動作やタッチ操作の反応の良さ、水平維持、自動アップロードなど細かい部分では進化していますが、画質や暗所撮影に関しては全く進化が見られず、毎年進化しているiPhoneに慣れているとこんなもんかな?という印象を受けます。
アクションカメラというジャンル自体かなりニッチなカテゴリで、今やSONYも脱落してGoProとDJIとInstaという海外メーカーが牛耳っています。その中でも、DJIとInstaはちょっと方向性が違うので、オーソドックスなアクションカメラとしてはGoPro意外に選択肢がほぼない状態であり、こんな微妙な進化のHERO 10 Blackでも無いよりはマシという評価になります。
HERO 10とHERO 7の比較
HERO 10はHERO 9と全く同じサイズ。
なので、バッテリーやアクセサリなども共有できます。
小型軽量だったHERO 7と比べると、かなり大きく感じますね。
でも、幅はほぼ同じくらい。
カメラレンズはパッと見だとHERO 7の方が大きく見えますが、それは保護レンズが大きいだけで、よく見るとカメラレンズ自体はHERO 10の方が大きくなっています。
でも暗所撮影は・・・全然ダメっていう。
カタログでは暗所撮影にも強くなった!みたいなことが書いてあるのに、実際に使ってみると・・・どこがやねん!というカメラです。
ちょっと気になったのが付属のケーブル。
上がHERO 7に付属したケーブルで、下がHERO 10付属ケーブル。
HERO 7の付属ケーブルよりもかなりチープになっていました。ケーブルも細いし。コストダウンでしょうか?
本体が大きくなったメリットの1つに、バッテリー容量が増えたというのがあります。
7や8のバッテリーパックと比べると、かなり大きくなりました。
容量は1220mAh→1720mAhに。
さらに今後、HERO 9やHERO 10向けにエンデューロバッテリーという新型バッテリーパックが登場予定で、通常バッテリーパックの時と比べて録画時間が最大40%延長されます。
バッテリーパックは本体横から取り出せるので便利な反面、USB-Cポートへのアクセスもここから行うので、外部マイクアダプターを取り付けたり充電しながらの録画を行う場合は、この蓋を開けた状態だとバッテリーが脱落する恐れがあるので、サードパーティ製のケースを使ってやる必要があります。
そのケースがこちら。
定番Ulanziのケースで、マイクアダプターを下に取り付けられるようになっています。
HERO 9とHERO 10のどちらにも対応。
本体横の蓋には穴が開いていて、そこからUSB−Cケーブルを差し込めるので蓋を閉めたままでマイクアダプターへの接続や充電が行えます。
タッチ操作の反応がキビキビしているので、メニュー操作がやりやすくなりました。
GP2チップのお陰でしょうか。
撮影モードは数種類の設定を保存しておけます。
これは便利ですね。
変わった部分
- GP1チップからGP2チップになった
- タッチパネルの感度が向上した
- 暗所撮影に強くなった
GP2チップになって変わった挙動
確かに、タッチ操作の反応は良くなったし、スリープ状態から録画ボタンを押した時のクイックキャプチャーの反応も良くなったし、全体的に動作が安定したように感じますね。また、HERO 7の時には、動画に音声が入っていない事や動画が途中でフリーズして静止画になっている事などが極稀に発生していましたが、HERO 10では今の所そういった症状は発生していません。
GP1からGP2になって変わった点としては、そんなところでしょうか。
チップ自体はシュリンクされていないのか、発熱も相変わらずあります。というか、HERO 9から搭載されたフロントのカラー液晶がかなりの発熱ポイントになっているので、チップ自体の発熱が抑えられた所であまり意味がないかもしれませんね。
- ディスプレイは1分でOFFに
- Wi-FiはOFFに
発熱対策として、この2点の設定は必ずやっておくべきでしょう。
HERO 10で良くなったポイント
- 動作がキビキビ
- フロントカメラで画角を確認できる
- 動画ファイルの自動アップロード機能がある
- フリーズ時にバッテリーの抜き差しがやりやすい
- 手ブレ補正と水平維持モードはiPhone 13とは比べ物にならないレベルでスゴい
- 本体内蔵マイクの音質がちょっと良くなった(HERO 7比)
HERO 10のイマイチなポイント
- GoPro Quikアプリでのプレビューは録画しながら行えない
バッテリーを抜いてモバイルバッテリーの給電で録画するとディスプレイが真っ暗になる(FWアップデートで対応済み)- iPhone 11以降のモデルと比べると、暗所撮影にあまりにも弱すぎる
- 本体が大きくて重い
悪くないけどそれほど良くもない、いわばまさにGoProらしいカメラ
GP2チップの恩恵で、動作面に関してはかなり安定しています。動作がキビキビしているだけで、なんだか気持ちが良いです。ここはiPhoneじゃなくてGoProで撮影しようかな?という気持ちにさせてくれる一面があります。
相変わらず、夕方〜日没後は全く使い物にならないカメラですが、明るい場所であればフツーに手持ちで撮るだけでiPhone+ジンバルよりも安定した映像を広角で撮影できるので、これはこれでいいでしょう。
このGoPro HEROシリーズは、どうも地中海性気候のエリアでの撮影だけを想定して開発してるんじゃないか?という気がするのですが、どうでしょうか?一年中温暖で雨があまり降らない(晴天が多い)地域でのアクティビティを想定したアクションカメラ。だから暗所撮影なんて、一切どうでもいいという。
HERO 10の水平維持リニアモードとiPhone 12/13の広角カメラは画角がほぼ同じ。それでいて、HERO 10の方はハイパースムーズ4.0に水平維持があるので、ミニ三脚に手持ちするだけでスタビライザーは必要ありません。これは、なかなかスゴい。お手軽だし。目立たないし。
ただ、やっぱり大きくて重すぎるので、HERO 7の代替にはならずに併用することになりました。HERO 7にはこのまま頑張ってもらうことにします。色んな意味で期待を裏切らないGoPro。今回もやってくれましたね。
アクセサリやバッテリーはHERO 9と共通ということで、すでに発売されている数多くのHERO 9対応のアクセサリをそのまま使用できるので、コスパは案外いいと思います。同じ規格で新型のバッテリーパックも11月末に登場することから、この仕様のままで最低でもあと1世代は新型モデルを出してくるでしょう。つまり、来年の秋に登場するHERO 11も大きさは変わらない可能性が高いということです。