![FiLMiCPro_Stabilization-04.png FiLMiCPro Stabilization 04](https://ipod.item-get.com/img/21/12/FiLMiCPro_Stabilization-04.png)
ビデオ撮影アプリの「FiLMiC Pro」がアップデートされ、本来のiPhoneの手ブレ補正に加えさらに強力な手ブレ補正モードが追加されたので、実際に使ってみたところ、若干の癖はあるものの手ブレ補正機能は想像よりも強力かつ実用的で、かなりいい感じでした。
「FiLMiC Pro」の手ブレ補正は3種類あります。
1つはスタンダードで、iPhoneに標準で実装されているソフトウェアでの手ブレ補正(EIS)と一部のiPhoneに搭載されているセンサーシフト手ブレ補正(OIS)を使ったもの。
今回のアップデートではそれに加えて、新しくシネマティックとシネマティック+が追加されています。
スタンダード
![FiLMiCPro_Stabilization-02.jpg FiLMiCPro Stabilization 02](https://ipod.item-get.com/img/21/12/FiLMiCPro_Stabilization-02.jpg)
iPhone標準の手ブレ補正機能を有効にしたモード。iOS標準カメラアプリで撮影しているのと同等の手ブレ補正です。三脚に固定したりジンバルを使う時は、このモードで撮影します。
シネマティック
![FiLMiCPro_Stabilization-03.jpg FiLMiCPro Stabilization 03](https://ipod.item-get.com/img/21/12/FiLMiCPro_Stabilization-03.jpg)
ソフトウェアでさらに手ブレを補正するモード。スタビライザーの無い手持ち撮影でも、滑らかな映像の撮影が可能です。ただ、画角が若干狭くなる。ソフトウェアで処理するので撮影プレビューにタイムラグが生じるなどのデメリットあり。
シネマティック+
![FiLMiCPro_Stabilization-01.jpg FiLMiCPro Stabilization 01](https://ipod.item-get.com/img/21/12/FiLMiCPro_Stabilization-01.jpg)
センサーシフト手ブレ補正(OIS)とさらに強力なソフトウェアスタビライゼーションを有効にするモード。iPhone 12 ProやiPhone 13シリーズならこれを使うと、より強力な手ブレ補正が有効になります。こちらも同様に、画面のクロップと撮影プレビューのタイムラグが生じます。
手ブレ補正の切り替え方
![FiLMiCPro_Stabilization-05.png FiLMiCPro Stabilization 05](https://ipod.item-get.com/img/21/12/FiLMiCPro_Stabilization-05.png)
手ブレ補正のON / OFFやモード変更は、設定アイコンから。
ソフトウェア手ブレ補正機能を使ってみた感想
iPhone本体をそのまま手持ちで撮影するのに、新しく追加された手ブレ補正モードのシネマティックとシネマティック+を使ってみました。
最初に気になったのが、画角はスタンダードよりも一回り狭くなること。
これは、手ブレで斜めに傾いたりする画面をソフトウェアで補正する為に切り抜いているから。GoProの水平維持と同じ事をアプリでやっているわけですね。
画角がやや狭くなる代わりに、手ブレ補正はメチャいい感じ!
本当に、滑らか〜〜〜になります。
iPhone本体をそのまま手持ちしてゆっくり歩く速度で撮影したところ、歩いた時の上下のブレがほとんど気にならないレベルで補正されていて、まるでジンバルで撮影しているかのような動画が撮影できました。ミニ三脚すらない本当の手持ち撮影で、しかも、センサーシフト手ブレ補正(OIS)の搭載されていないiPhone 12 miniの広角レンズで、ここまで滑らかな動画になるのは凄いですね。
(参考:FiLMiC Pro公式のサンプル動画)
シネマティックモードの唯一のデメリット
シネマティックモード唯一のデメリットとしては、プレビューのラグがあります。
通常のスタンダードモードならリアルタイムで描画されるので違和感なく撮影することができますが、シネマティックおよびシネマティック+では、ソフトウェアスタビライゼーション処理を行ってからプレビューを描画するので、画面に映像が表示されるまでにラグが発生します。
そのため、動きのある映像だと被写体を捉えにくい、プレビューを見ていると酔ってくるといったデメリットが生じます。やや癖のある撮影モードとなり、使い方がちょっと難しいですが、そのデメリットを補って余りあるほどの滑らかな映像が撮影できるので、iPhone本体だけで手持ち撮影する時は、シネマティックモードで撮影したいですね。
ちなみに、シネマティックとシネマティック+の違いは、センサーシフト手ブレ補正(OIS)の有無だけではなく、ソフトウェアスタビライゼーションの強弱が違います。シネマティック+の方がより強力なソフトウェアスタビライゼーション処理を行っているので、より滑らかに撮影できますが、プレビューのラグもかなり長くなるので、カメラをパンしたり被写体を追うような動きのある撮影に用いるのは難しい面があります。まっすぐ歩いて風景を撮影するといったシーンなど、横の動きは少ないけど上下のブレの多い撮影にはいいかもしれませんが、実用性で言えば、スタンダートとシネマティックを切り替えて使うのがベストでしょう。
ジンバルを使う時はスタンダード、ミニ三脚や手持ちの時はシネマティック。この使い分けで良いと思います。