AppleのVision Proは、予約開始から8分ほどで初期出荷分が完売しましたが、この数分の間に大量のVision Proを確保した転売屋がいたようです。
Vision Proの予約には、iPhoneまたはiPad ProのFace IDを使って顔をスキャンしてインナーのサイズをフィッティングする手順が必須となっていましたが、これはフィッティングを行うと同時に転売屋の自動購入スクリプトを弾くための意味もあったと考えられています。
しかし、狡猾な転売屋の中には、この顔スキャンの工程を回避して自動注文するBotスクリプトを事前に用意していました。
とある転売屋は、自動購入Botスクリプトを使ってVision Proの注文を1,592件も行いました。
顔スキャンのプロセスをパスするために、あらかじめ顔スキャンをシミュレートして、送信されるコードデータを解析。そのコードデータを自動送信することで、顔スキャンのプロセスを回避して自動購入に進んだとみられています。
顔スキャンを回避できれば、iPhoneもiPad Proも必要無し。
PCのブラウザだけで注文が完了します。
- 転売屋はBotスクリプトを使って大量のVision Proを確保することに成功した
- Vison ProはeBayなどのオークションサイトで、定価の2〜3倍で販売されている
- Vision Proの予約注文には顔スキャンが必要だが、転売屋はこれを回避するBotスクリプトを使用したとみられる
- Botスクリプトには、顔スキャンプロセスをシミュレートし、コードデータを送信する改良が行われた
- 顔スキャン回避スクリプトを使って予約されたVision Proは、全て同じサイズのインナーとなるが、実店舗での商品受け取りを選択している場合は受け取り時にサイズ変更ができる
Vision Proの転売には、事前に入念な準備が行われていたということになります。具体的には予約開始の1ヶ月前から、大量のApple IDの確保やBotスクリプトの作成と改良といった準備が行われていたようです。
一つ疑問なのが、Vision Proの予約注文に顔スキャンのプロセスがあることは、予約が開始されてからじゃないと分からないということです。事前に顔スキャンのプロセス(と眼鏡をかけてるか?の確認プロセス)の存在を知っていた人物がVision Proの自動購入Botスクリプトの開発に関わっているとしか思えません。
転売屋的には「Vision Proは2024年最大のビジネスチャンス」と考えているようで、Botスクリプトの作成者もそれなりの報酬を受け取ったはずです。
- Source IT之家