(画像はイメージです)
台湾TSMCが、日本の熊本に2つめの工場建設予定ですが、着工時期が2025年3月から2025年内に延期されたそうです。それと時期を同じくして、熊本工場の近くの坪井川で有機フッ素化合物(PFBS、PFBA)の濃度が増加していることが明らかになり、この環境問題が新工場の建設に影響を与えている可能性が指摘されています。
半導体製造の環境リスク
半導体製造プロセスでは、エッチングや洗浄工程で多数の化学物質が使用されます。これらの中には、フッ素化合物や有機溶剤といった環境および人体に有害な物質が含まれる場合があります。適切な処理が行われない場合、これらの化学物質が水質や土壌汚染の原因となる可能性があります。
一般的にはクリーンなイメージの半導体工場ですが、製造過程でフッ素化合物はバンバン排出されるということで、環境リスクはそれなりにあるんですね。
熊本工場は数年遅れの枯れた技術を採用
TSMCは、Apple製品に搭載される最先端チップを製造することで知られる台湾の半導体メーカーですが、熊本工場で生産される予定のチップは6nmプロセス技術に基づいています。
この技術は、現在の最先端プロセスである3nmや将来的な2nmに比べて数世代遅れており、約5年前の技術に相当します。熊本工場は、主に自動車や家電向けの半導体を生産する工場として稼働しているので、比較的成熟した技術が採用されているんですね。
台湾工場では最新技術のチップが生産
一方、TSMCの最新チップであるA18(3nmプロセス)や、開発中のA20チップ(2nmプロセス)は、台湾南部の台南サイエンスパークにある工場で製造されています。また、台湾政府の支援により、1nmプロセスの生産を目指した工場建設も計画されていて、TSMCの最先端技術の拠点は引き続き台湾に集中するものと思われます。
日本でも半導体工場が続々稼働予定
日本国内の半導体工場としては、台湾半導体大手のPSMCも日本で工場設立を検討しており、SBIホールディングスと共同で準備を進めています。また、北海道千歳にあるラピダス工場が4月より稼働予定と、TSMC以外にも半導体工場が増えてきています。
円安の影響もあるのかなという感じですが、工場ができれば雇用も増えるので今後の発展に期待したいところですね。
- Source 西日本新聞me
- Source 熊本日日新聞社
- Source 毎日新聞
- Source XenoSpectrum